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シューケアを行うこと

2018/12/15

何故、シューケアが必要なのか。

僕は、その靴をより永く愛用する為に行うことだと考えております。

ポリッシュをかけて艶を出したり、キズ、色補修を行うことは

あくまで見た目を左右する、その次の工程として考えます。

アパレルを始めた頃は後者を最優先として考えてました。
見た目が第一なので、色がしっかり乗って
パキっとした艶が出ていれば完璧。

実際、それで見映えはよかったんです。

 

ある日、手持ちのALDENの銀面が荒れていることに気付きました。

もちろん当時は知識も無いため、銀面の荒れなんて言葉は知らず

ただただポリッシュが乗らないなぁなんて思いながら

何度も塗って、革を擦り続けていました。

今思うと、革にとって悪いことをしているのは分かるのですが

当時は何も分からずいつまでたっても光らないので

クリームのみで諦めていたことを覚えてます。

別のALDENがあるからそっちを光らせよう。

ポリッシュを重ねたら重ねるだけ光るから

古いクリームを落とすのもたまにで

雨の日の次の日も、ロクなケアもできてませんでした。

クラックが入るのも当然ですよね。

大事にしていると思った靴にヒビが入った時に

ようやく自分のシューケアが間違っていることに気づきました。

銀面が荒れているから光らなかったり

古いクリームを放置していたり

雨の日のケアを怠っていたからヒビ割れたり。

ベーシックなケアを怠っていると

いずれそれは見た目にも影響するんですよね。

 

そこから色々な雑誌や文献を辿ったりして

今まできちんと行えてなかったシューケアのことを勉強しました。

当時はインスタ等も無かったので誰かに聞くこともできず

果たしてそれが合っているのかも分からず

ただ基本に忠実に、自分なりにていねいにケアを続けていました。

 

そうして約10年経ちました。

そのALDEN達は現役で僕の足元を彩ってくれています。

残念ながらクラックは直らなかったけれど

それも自分の旅してきた跡なんだと思い、愛用しています。

まだまだ旅には付き合ってもらうつもりです。

シューケアは、その靴をより永く愛用する為に行うこと。

そして、その靴をより魅力的にみせる為のベースを作ってあげるということ。

もしやり方が分からない場合は、ぜひお手伝いをさせてください。

靴磨き職人、シューシャイナーは、その為にいるようなものです。

より永く、ご愛用の靴と旅に出ることができますように。