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靴を磨くということ

2018/12/15

シューケアは靴をより永く愛用するためのこととは先日掲載しましたが

靴を磨く、というのは意味が重複するのではないかと感じる方も多いと思います。

あくまで個人が思うことなのですが

靴を磨くことは、自分自身をその名の通り

ブラッシュアップすることなのかなと考えてます。

 

ベルルッティの4代目当主、オルガベルルッティは

“靴を磨きなさい。そして自分を磨きなさい。”と言いました。

それは鏡のように光らせているのか

しっとりとした光り方なのか

磨き方の話をしているわけではないと勝手に考えてます。

何故、僕が靴を磨くようになったのか

それは、アパレルならではなのかもしれませんが

まだアパレルに入社したての頃

先輩の靴が、見たことないくらいに光っていたんです。

お店に置いてある靴とは全くの別物で

一気にその魅力に取り付かれました。

最初はもちろん、クリームの塗り方も分からなければ

ポリッシュなんてどう使ったらいいかも分かりません。

雑誌に書いてある通りにやっても、先輩の靴のような艶にはならず

日々試行錯誤を繰り返してました。

 

これはもしかしたら、あるあるなのかもしれないのですが

鏡面仕上げはいつの間にか出来るようになっていたという記憶があります。

ギターのFコードが弾けた時の感覚に近いです。(限定された例えでスミマセン…)

そこからより一層、靴磨きにのめりこむことになるのですが

その頃から、靴以外のことにも意識が届くようになりました。

せっかく光らせた靴なのに、装いが見合っていないと台無しになるな..

姿勢が良いと、よりこの靴がよく見えるだろうな..

あとは単純に、靴を傷つけないように、汚れないように歩こう..

ただ、靴を磨いただけなのに、視野が一気に広がったと思うんです。

靴磨きは自分磨き、というのはまさにその通りで

靴を磨くことで自分自身の内面や、立ち振る舞いまでブラッシュアップされます。

アパレル時代から、立ち振る舞いや所作には、人一倍気をつけていたと思います。

それは、先輩からの教えもありますが

靴磨きをするようになったから。

というのも理由のひとつとして挙げられます。

 

鏡面磨きを絶対しないといけないわけじゃありません。

あくまで、靴を磨く。ということで

少しずつ、自分自身の何かの”変化”を感じることができ

その微細な変化を感じ取れるようになったら
いつの間にか靴も

そして自分自身も磨きあげられているんじゃないかなと

そう思い、今日まで靴を磨き続けています。

カッコつけてなんだかんだと書き連ねていますが

靴をカッコよくしたら、自分自身もカッコよくあろう。

ということなんですよね。笑

 

カッコよさの価値観は人それぞれですが

そのひとつとして、靴磨きがあるんじゃないかなと考えております。

よりカッコよくなるお手伝い、できたらいいなと

京都にて、今日もブラシ片手にお待ちしております。

Glayage KYOTO 樺澤 幹人