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Glayage KYOTO L-Zip wallet

2023/07/18

数年前から構想していたものが、ついに正式にスタートしました。

フワッと妄想していたのは実店舗がオープンする前。
当時は3つ折りの財布を使ってました。
3つ折りの財布って、コンパクトでめちゃくちゃ使いやすいんですけど
容量が..足りないんです。
幸い(?)現金は手持ちが少なく、その点は問題ないのですが..
カード類が割と多く、カードだけでパンパンになってしまうんです。
その時から、こんな財布があったらいいな..という妄想を膨らませていました。

その後、コンパクトな2つ折り、フラグメントケースを使っていました。
どれも魅力的ではあるし、気に入ってはいたのですが
これがこうだったらな..という悩み事は尽きず
かといってこの悩みを解消できるような繋がりもなければ
自分で作ることなんてもってのほかで
我慢してずっと使ってきていました。

2021年、とあるイベントで出会ったとあるレザークラフター。
この時からこの構想が現実味を帯びたんです。

LEATHER LABORATORYという屋号で活動されていました。
まさに奇跡的な出会いでした。
かなり前からコードバンをメインとした制作を行なわれていて
お会いした時に見せていただいたお財布がめちゃくちゃかっこよくって。
もっと早くお会いしたかった..

その時にまた改めてお会いする約束をして
実際に幾つかの製品を見せていただきました。

これまためちゃくちゃかっこいいんですよ。
一見すると普通に見えるのかもしれません。
デザインが効いていたり、難しい工程がふまれていたり
珍しい素材を使っていたり..
そういった製品の方がよく目に留まるのかもしれません。
ただ、僕が欲しい!と思ったものはそうではなく
普遍的で、一見すると気づかないところに拘りの詰まった
所有する自分だけが知っている、まるで内緒事のような
そんな製品だったんです。
所有すると、ほんの少しだけ自分の心が豊かになる
靴磨きにも似た感覚の製品
お話を伺えば伺うほど、その拘りを知ることができました。

穴の開け方一つにしても
効率的とはかけ離れた丁寧な工程で
聞くまでは気づかないところにも、美学を感じ
その場で財布の相談をさせていただきました。

快く受け入れていただき
そこから現実化に向けた取り組みがスタートします。

”カードの入る余裕がもう少し欲しい”
”お札が入るポケットが欲しい”
”小銭を取り出しやすくしたい”
”メインで使用するカードは外に欲しい”
”でもコンパクトで持ち出しやすいサイズ感がいい”
わがままを詰め込んだような内容で
今思うと相当悩ませてしまったなぁ..と申し訳なさがある一方で
実際に製品ができた時の自分の理想や思考を形にしてくださったことへの
感謝の気持ちでいっぱいになりました。

ベースの革の選定やジップの種類、糸の種類
全てにおいて相談に乗っていただき
2023年7月、ついに完成しました。

フラグメントケースと大差のないコンパクトなサイズ感で
外側にはポケットが付いているので
常に使うカードを収納することができます。
フラグメントケースは裏側にカードポケットが付いているのですが
コンパクトな分、カードが傷つく可能性や落としてしまう可能性も否めないので
ポケットは設けず、中に収納することを考えました。
10枚入れられたらいいのになぁ..を現実化してくれたのが

このマチです。
ラウンドジップにすると、意外と量が入らないので
L字のジップを採用し、マチを少し深めに作成していただきました。
これにより、見た目はコンパクトなのに
容量が結構入る..といった
ある種矛盾した要望が全て叶うことになったんです。
ちなみにL字を採用したもう一つの理由として
ラウンドよりもL字の方が開閉時のストレスが軽減される..という効果があります。
一辺分、ジップの開閉の手間が無くなるだけでもかなり変わります。

できるだけアノニマスな印象を出したかったので
刻印はかなり控え目にしました。
中央の小銭入れですが、これにも拘りがありまして..
小銭、出しにくいなっていう経験ありませんか?
少し深めのポケットにすることにより容量は増えるのですが
コインまでの距離が遠くなるので
中が見えにくく、出しにくいことがあります。
これを解消するために。ステッチワークによるポケットの底上げを行い
小銭の取り出しやすさが飛躍的に向上しています。
こういう細々したストレスが解消されるのは本当に嬉しいです。

縫いは全て手縫いです。
丁寧に縫われている中でも、ほんの少しの”隙”に
より一層の魅力を感じます。
精巧さと手縫いの”隙”のバランスが心地よくて
ついついじっくり見てしまいます。

そしてこの製品、基本的に修理可能なことが前提に作られています。
パーツのみの交換も可能ですし
その際ポケットの色だけ変えたい..なんてことも可能です。
全て手作業ならではの永くご愛用いただける仕様。
なおのこと愛着も増していきます。

製品は基本的にはオーダー品として展開いたします。
まずはベースの革を選んでいただきます。

ブラックのシュリンク、スムースレザーから選んでいただけます。
シュリンクはイタリア、スムースはフランスの革を採用しております。

次にポケット部分の革を選んでいただきます。

こちらはバリエーションも豊富に用意しており
牛革の他、コードバンも選択いただけます。
オイルド、アニリン、珍しいものだとロウ引き
UKコードバン等、サンプルを見るだけでもワクワクするものがたくさんあります。
これらは在庫が無くなり次第終了してしまうので
気になる素材はお早めにチェックしていただけると幸いです。

納期は原則約2ヶ月
繁忙期はこの限りではないので
受注タイミングで改めて納期はお伝えさせていただきます。

気になる金額ですが
¥55,000+tax
ポケットをコードバンにする場合は
¥57,000+tax

でございます。
決して安い金額ではありません。
この金額以上の思いやその手仕事を
LEATHER LABORATORYさまから感じました。
現に今使用している自分にとって、このお財布はすでに特別なものになっています。

永く愛用するからこそ、特別な一点を。

ぜひ、実物をご覧にいらしてください!

 

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