京都の靴磨き屋さんとしてできること

2020/06/13

新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が発出され
国内はもちろん、世界中に大きな影響が出てきてしまいました。
現在は宣言も解除されて、今まで通り..とは言えないまでも
お外を歩いている方も見えるようになりました。

この1~2ヶ月、すごく色んなことを考えました。
ありがたいことに郵送や預かりでのご依頼をいただけていたことで
手を止めることはなかったのですが
それでも立ち止まって考える時間はたくさんありました。

その場磨きを止めたこと
停止中に考えていたこと
京都の靴磨き屋さんとしてできること

その場磨きを止めたこと

京都に緊急事態宣言が発出される前にその場磨きを停止しました。
正直、停止するくらいの事態になるとは当初は思いもしませんでした。
日に日に感染拡大のニュースが流れていく中で
自分自身がもし感染した場合、お店のことだけでなく
自分に関わってくださっている全ての人に生命の危険を及ぼしてしまうと
急に恐怖を感じてしまった瞬間があったんです。
もちろん事業を持続していかないといけない上で
営業はできる限り行いたかったのが本音です。
でも、もし自分が営業し続けることで
誰かが感染してしまう可能性が高くなるなら
誰かが生命の危険にさらされてしまうなら
それはそもそも自分が目指しているお店の姿ではないと思ったんです。
自分が生きていけるギリギリのところで、と考えて出た結論が
その場磨きの停止でした。
告知をご覧になっていない方でも分かるように
看板も期間中はずっと下げていました。
これが本当に辛かった。
毎日のルーティンが無くなるって、結構辛いんですね。
靴磨き選手権のことや、動画への出演。
本当にこれからって時に、営業のサインをなくすこと
どこのお店も本当に辛かったんだろうなって思います。
ただ、それでもやっぱり関わってくださる方々のことを思うと
今は出す時じゃないと思ったんです。

停止中に考えていたこと

開店休業

宣言中の錦通。。

その場磨きを停止して、看板を下げてからは
もちろんですがほぼご来店は無かったです。
ただ、それに対してしんどいなー厳しいなーという気持ちというよりかは
安心感の方が強かったんです。
お店としては決して楽ではない方向に進んではいたのですが
個人としては気持ちがかなり楽になりました。
毎日一人で作業しながら時折考え事もしながら..
で、時々えも言われぬ不安感に駆られながら。
店舗を開店して最初の1ヶ月を思い出しました。
めちゃくちゃ暇で不安でしたあの時は。笑

新しい試み

靴磨き屋さんは自粛要請の対象ではなく
生きていく分はなんとか稼いでいかないといけない状態でした。
郵送や集配サービスは以前から行なってはいましたが
もちろんそれだけで、やっていける！なんてことはなく
改めてより多くご依頼をいただけるにはどうしたら・・と日々考えてました。
考えるだけでは何も伴ってこないので
こういった状況だからこそ、なんでも行動に移してみよう！ということで
郵送キャンペーンと、集配サービスの再告知を行いました。
また、インスタライブの発信についても
皆様がSTAYHOME期間中だからこそ
少しでも楽しんでいただけるように
そしてどういうお店なのかを知っていただけるように
いつもとは違った発信を行いました。

GlayageKYOTOは単なる靴磨き屋さんではなく
洋服を取り扱っていたり
アクセサリーも扱っていたり
トータルファッションをご提案できるお店でもあります。
アパレル経験があるからこそ行えることもあると考えており
それが”ファッションとしても靴磨きを”というキーワードにも
繋がっています。
靴磨き好きの方はもちろん、ファッションが好きな方に向けて
休業期間中はファッションに関わる方々と
インスタライブを通して
いろんなお話をさせていただけました。

支えてくださる方々がいる

インスタライブを行うにせよ
郵送サービスを行うにせよ
尊敬する方々や日頃ご愛顧いただいている方々
この期間、本当に多くの方に助けていただき、支えて下さりました。
快く共演をしてくださったり
応援のメッセージとともにご依頼品が届いたり
心配して連絡していただけたり。。
磨いてもらう靴は無いけど..と言って
商品をお求めにいらしていただける方もいらっしゃいました(近隣お住まいの方です)
皆さん大変な状況には変わりないのに。。
本当に救われました。
日頃から皆様に支えられているとは感じておりましたが
改めて強く感じた期間でもありました。
驕る気持ちはもともと無いのですが
感謝の気持ちと姿勢を正さないといけないと
改めて感じたのもこの時です。
本当に、本当にありがとうございます。

京都の靴磨き屋さんとしてできること

現在宣言は解除され、少しずつ通常の生活が戻ってきているようにも思えます。
京都は梅雨入りであいにくのお天気が続きますが
これから少しずつ、少しずつ、活気を取り戻していくことを願います。
ただ、今まで通りの営業スタイルや生活..とはならないと
お店をやっていく者として、そう考えています。
新型コロナに限らず、今後も感染症対策というのは
お店を運営していく中で大きな課題になると考えており
パーテーションの導入や空気清浄機
そして消毒や自己管理
一つ一つが小さな効果でも
それが少しでも安心に繋がるのであれば
やり続けていくべきことだと思います。

国や自治体の発表や報道があったから..ではなく
それが自分のお店にとって必要だから、という考えが
今の自分に一番しっくりきます。